彼らと出会ったことでおれは変わってしまったのだろうか?
この世界にきておれは幸せと感じているのだろうか?
幸せなんて必要ないとずっと思っていた。
人並みの幸せなんておれが手に入れるにはとても重いもので縁のないものだったのかもしれない。
けど今生きていることにおれは心から幸せだとかんじることができている。
けど・・・・・・・
ふと後ろを振り返ればそこにあるのは数えきれない罪の痕。
どうやってもどうゆう事をしたとしても決しておれは許されない。
たぶん誰かが俺を許そうとしても自分だけはきっと自分を許さない。
亡くなった命はどうやっても戻りはしない。
いままで自分のせいで死なせてしまった人たちにたいして自分はどう償うか考えてきた。
その結果が誰にも心を開かず痛みを他人に見せず深い闇の中という自分だけの世界を作って閉じこもるように生きてきた。
だれにも深い関係をつくらなければ誰も傷つかないだろうと自分が孤独の道を選べばそれでいいのだと。
・・・・・・けど・・・・・だけどね。
一人で生きていくのは結局無理だったんだ。
おれの境界線に簡単に入ってきた人たちがいる。
最初の人は元の世界にいた時の自分のSPだった人。
二人目はセイシェル。三人目はヨハン。
そして次から次へとおれはその境界線超えを自分の気づかないうちにそれを許していた。
一人じゃ苦しいから。
一人じゃ悲しすぎるから。
一人で抱え込むには重荷が過ぎたから。
自分だけじゃ壊れそうだったから。
だから誰かが傍にいて欲しい。
だれか俺のことを見て欲しかった。
せめて見てみぬふりでもいいから、話しかける程度でいいから・・・・・だから・・・・。
だから、だれか俺を止めて欲しかった。
自分じゃどうにも出来ないこの運命をもう後戻りはできないこの道を壊れかけてしまったこの心を
何もかもがすべて終わってしまう前にただ突き進む自分を止めて欲しかった。
だけど
縁のないものだとどうせだと諦めていた物たちが次々と手に入ってくる。
この幸せが逆に怖いと感じてしまう。
この幸せがいつか消えてしまうのではないのかと不安になった。
だからまだこの世界に来たときはまだ自分は自分の世界に閉じこもっていた。
けどそんな不安もいつのまにか消えていった。
ヨハンが現れたから。彼が傍にいてくれたから。
この不安も消えた。
「まだお前の人生は始まったばかりだろう?」と優しく俺に言ってくれた人がいる。
「一人で全部抱え込むな。俺でよければ相談の相手になってやるから」と一番最初に俺を見てくれた人がいる。
はじめて向けられた感情をそしてそれを言葉にしてくれた大切なひとがいる。
だからこの世界え生きてみせよう。過去の罪もすべて抱えて。
一人じゃないから俺の周りにはたくさんの人たちがいてくれているから。
だからもう一人じゃない。
それと同時に俺は弱くなったかもしれない。
もう一人では生きていけないからもうそんな強さはないから・・・・・・
でももう一人じゃないんです。
もう一人では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「シン・・・・・・・!」
ほら俺の名を呼ぶ人が一人。
「陛下そんなに急がなくてもシン様はテラスの方にいますから」
もう一人
「と言ってもノイル、ヨハン二人とも急ぎすぎだろう。あの子はきっとテラスの方で寝ているだろうし」。
そしてもう一人
セイシェルちなみに俺は寝てないよ。まあさっきまで壁に寄りかかるように寝ていたが。
・・・・・ふと今気付いた。名前を呼ばれることは普通だ。だけどその名前を呼ばれることに嬉しさが込みあがる。自分はここにいるのだと。
そう貴方達がいてくれたから俺は生きていける。
あなたがいるから俺はここにいる。
さて彼らに飛び切りの笑顔でおはようでも冗談で言ってみようか。
蒼すぎるこの空に背を向け愛しい人たちの下へ俺は歩き出す。